理事長からのご挨拶

 京都医療生活協同組合は、中野眼科医院の創業者である中野信夫医師によって、1950年(昭和25年)に設立されました。戦後間もない頃、日本全体が高物価・インフレ・物不足にあえぎ、診療施設の荒廃・医療衛生材料の不足が生じる中、より多くの人々が安心して医療が受けられるように、さらには医師・職員と組合員との協同による質の高い医療を実現させようという理念のもとに誕生しました。その思いは、70余年経った今でも、しっかりと息づいています。

 

 当医療生協は、中野眼科で知られる眼科診療所を京都市内に4か所開設しています(中野眼科ホームページ http://www.kyo-con.or.jp/)。一般の眼科診療のほか、特に本院では、日帰り白内障手術、日帰り硝子体手術、レーザーを用いた眼科治療など、高度な診療も行っています。専門的なコンタクトレンズの診療・処方も行っており、京都ではパイオニア的存在で、65年以上の実績があります。

 

 医療生協とは本来、地域の人々がそれぞれの健康や医療、暮らしにかかわる問題を持ち寄って医療組織を作り、それを通じて医療専門家との協同によって、問題解決のために運営される生協法に基づく住民の自主組織です。その基本理念を基盤に、私たち京都医療生協は、コロナ禍のような想定外の状況にあっても、課せられた使命を十分に果たし、より良い医療組織として発展していくために、私たち職員が一丸となって日々努力して行く必要があると考えます。

 

 良い医療を実践するには職員の精進が必要であることはもちろんですが、実は医療は患者さんと一緒に作り上げていくものです。これこそ、医療生協の基本理念そのものです。当医療生協を頼ってくださる全ての患者さんと手を携えて、より良い医療組織となるように今にも増して良い医療を提供できるよう努め、来たるべきさらなる長寿社会を展望しつつ、人々の目の健康を守る社会的公器として、その役割を果たしていきたいと考えています。

 

京都医療生活協同組合
理事長 宮本 和明